FileSelecter

Selected Files Transporter


製作:秀麗(フリーウェア)

Labyrinthe Noir

○目次

  1. 概要
  2. 画面の説明メイン画面基本設定読込オプション処理報告画面
  3. Filter Textフィルターの意味フィルターの入力フィルターファイルの書き方取込の設定転送の設定
  4. 設定ファイル
  5. 著作権等
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○概要

 FileSelecter はフォルダから必要なファイルを抽出して、別のフォルダへ移動・複写するためのソフトです。
 また、逆に条件に合わないファイルは元のフォルダへ戻します。
 

 条件にはファイル名を使用します。複数の条件を指定することが可能で、テキストファイル(フィルタファイル)から読み込むことができます。
 ファイル更新の日付を比較して新しい方を残し、古い方を上書きしますので指定ファイルの同期を取ることもできます。
 移動元フォルダ(Stock Folder)および移動先フォルダ(Current Folder)は任意に選択することができます。(ネットワーク上のドライブでも可能です)
 動作に必要な各設定は、設定ファイルに残して置くことが可能で、自動実行や設定を切り換えての実行が簡単にできます。

 【実例】

 データベースの検索結果から、HTMLファイルで電子カタログを作成しています。CGIやWebサーバーにデータベースを組み込むような複雑なことはしません。定期的に在庫のある商品をデータベースから抽出し、そのデータを元にHTMLファイルの自動生成とそれに必要な画像ファイルをサーバーに転送しています。

 

 データベースには FileMaker Pro を使用し、検索結果をCSVファイルで出力します。
 HTMLファイルは、Text2HTMLを使ってCSVファイルをテンプレート加工して、HTMLファイルを製作しています。
 さてここで、このHTMLで使用する画像やリンクで開くPDFファイルが必要となります。すべてのファイルをサーバーへ転送するよりも、必要なファイルだけを転送したいと思います。そこで FileSelecter を使用します。

 
 HTMLで使用する画像やPDFのファイル名またはその一部を別途CSVファイルに出力しておきます。FileSelecter では、これをフィルタファイルとして条件検索に使用します。この条件に合致したファイルだけを抜き出してサーバーへ転送したいのです。
 データベースで使用している画像を保管しているフォルダを Stock Folder に指定し、サーバーに転送したいファイルを受け取るフォルダを Current Folder に指定します。
 これで、FileSelecter を実行すれば、HTMLで必要な各種ファイルを別のフォルダへと取り出して集めることが出来ます。このときファイルをコピーするように設定していると、元のフォルダにもファイルが残っています。
 後は、HTMLファイルと同時に、この抽出先フォルダのファイルをサーバーに転送すればWeb上で見ることの出来る電子カタログの完成です。

 【注意事項】

 フォルダがフィルタによって処理される場合、中のファイルも転送されますが、フィルタはフォルダに対して適用され、中のファイルには適用されません。

 フィルタを指定しなかった場合、全ファイルを対象にして転送されますが、Copyの場合2つのフォルダの同期を行いますので、データのバックアップには不向きです。(削除したファイルも転送されて戻って来てしまうため)

 ネットワーク上のフォルダ間でファイル転送する場合、事前に対象のフォルダを含むドライブがマウントされている必要があります。

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○画面の説明

【メイン画面】

(1) Setting File

 Setting File に関する命令のアイコンです。左からOpen、Saveです。
 メイン画面や読込オプションの設定を Setting File として保存し、また読み込むことができます。

 保存できる項目は以下の通りです。
 Current Folder、Stock Folder、Filter Text Fileのパス情報(ファイルを移動しても読み込みます)
 Search、Transport の条件選択
 Import Optionの詳細設定にある全項目(Over/Addは常にOverに戻ります)

(2) Folders

 ファイルを管理するフォルダ名とそれに対する操作のアイコンです。

 Stock Folder が転送元のフォルダで、ファイルの保管場所として指定します。
 Current Folder はファイルの転送先フォルダで、Filter Text を使った検索条件合致したファイルのみStock Folderから転送されます。
 逆に Current Folder にある条件に合致しないファイルは、Stock Folder へ戻されます。

 アイコンは左から、フォルダの選択、フォルダを開く、Current Folder を空にする。

(3) Filter List

 Filter List には、Current Folder へファイルを転送するための各種条件を設定します。
 検索条件(Filter)の入力は、直接リストに入力する方法と、テキストファイル(Filter Text)をドロップする方法があります。(→Filter Text
 主な設定項目は Transport(転送)、Search(検索)、Import Option(読込設定)についてです。

 Filter Box:
 検索条件となるテキスト(Filter Text)を入力します。ファイルをドロップするか Import ボタンでテキストファイルを読み込ませることも可能です。

 Filter File:
 Filter Text をテキストファイルから Import(読込)したり、テキストファイルに Export(保存)します。

 Setting File を保存するときには、必ず Filter File を指定する必要があるため、Import または Export の操作が事前に必要となります。(操作していない場合、Setting File 保存時に Export を促すダイヤログが出ます。)

 Import Option:
 Filter Text にテキストファイルをドロップする際に、上書処理(Over)するか、追加処理(Add)するかを選択します。
 [Detail...]ボタンでは更に詳細な設定が行えます。(→読込オプションの説明

 Search:
 「Same」「Include」「Not Same」「Not Include」が選択できます。
 Filter Text とファイル名の比較条件を示しています。条件に合致したファイルのみ転送を行います。
 「Same」・・・完全一致(Filter Text とファイル名が同じ場合)
 「Include」・・・部分一致(Filter Text がファイル名に含まれる場合)
 「Not Same」・・・完全不一致(Filter Text に同じファイル名がない場合)
 「Not Include」・・・部分不一致(Filter Text を含まない場合)

 Transport:
 ファイルを転送する際、元のフォルダからCurrent Folder にファイルを移動(Move)するのか複写(Copy)するのかを選択します。

 設定内容の詳細は Filter Text の解説で行います。

(4) 操作メッセージ

 画面の最下部には操作に関する説明が表示されます。
 アイコンや入力項目などにマウスを移動させると、その部分の説明が表示されます。
 フォルダ名の表示欄では、フォルダのフルパスが表示されます。 Filter Box では、Filter Text File のフルパスが表示されます。

(5) Run Button

 Current Folder と Stock Folder を選択すると [Run]ボタンが使用可能な状態になります。
 [Run] ボタンを押すと、Filter Text に合致したファイルを Stock Folder から Current Folder へ転送する作業が始まります。

【基本設定】

 ここでの設定は初期設定フォルダに保存され、FileSelecterの起動時に読み込まれ、終了時に保存されます。

(1) Setting File

 Setting File を保存するときのファイル名について設定を行います。
 1つ目を選択すると右にあるフィールドの文字列が標準のファイル名となります。(保存時に変更可能)
 2つ目を選択した場合、右のフィールドに接続文字列を記入します。
 接続文字列の左にStock Foler名、右にCurrent Foler名をつないで保存時のファイル名とします。(例:Stock to Current)

(2) Utility Window

 処理結果を表示する処理報告画面を処理前または処理後に自動的に開くための設定をします。標準では処理後に開くようになっています。(→処理報告画面

【読込オプション】

 テキストファイルを Filter Box に読み込んだ時に、ファイルからデータを取り出して読み込む手順を詳細に設定することができます。(→Filter Text
 設定内容は初期設定ではなく Setting File に記録されます。

(1) Record

 Start Record はテキストの読み込みを開始するレコード(行)番号を設定します。(必ず1以上の整数値です)

 1レコードの区切りはSeparaterで選択します。「auto」の場合、WindowsやUNIXの改行コードは自動的にマック用のCRに変換して読み込みます。

(2) Field

 Fastening chara はフィールドのテキストを挟み込む文字のことで、通常は「no」(なし)です。
 例えば、フィールドが「"field"」のように「"」に囲まれている場合に挟み文字を正しく選択すれば、中のテキストだけを取り出すことができます。
 もし、挟み文字を使ったフィールドと使っていないフィールドが混ざっている場合は、挟み文字を選択してください。

 Separator はフィールドの区切りを示す文字列を選択します。

 Import Fields Number は1レコードに含まれる複数のフィールドから、何番目のフィールドを読み込むか設定するときに使います。
 「0」または空欄の場合、全フィールドを取り込みます。
 一部のフィールドを取り込む場合は、「1,3」「1,2,5」のようにフィールドの番号を「,」で区切って入力します。

 Head Text は取り出したフィールドの前に文字列を付加することが出来ます。

 Foot Text は取り出したフィールドの後ろに文字列を付加することが出来ます。

(3) Default ボタン

 上記各項目を初期状態に戻します。

【処理報告画面】

(1) Close ボタン

 処理報告画面(Utility Window)を閉じます。メニューの「Utility Window」を選んでも開閉します。

(2) Change ボタン

 報告内容を切り換えます。[A] 処理ファイルの表示と[B] 未処理フィルターの表示があります。

(3) Save ボタン

 報告内容をテキストファイルに出力します。先にChangeボタンで保存したい報告内容を切り換えます。

[A] Used Files

 フィルターに処理対象として合致したファイルについて、処理結果を表示します。
 処理結果にはファイル名、適用したフィルター、処理結果の表示記号が表示されます。
 記号は次のような意味を持ちます。
 →:ファイルの書込または消去が行われた場合、-:ファイルの移動はなかった場合
 ○:ファイルが存在、●:ファイルを書込、×:ファイルが存在しない(-)か消去された(→)
 例:○→●(左の○はStock Folder、右の●はCurrent Folderで、Stock から Current へコピーされたことを意味する。
 例:×-○(Stockにファイルがなく、Currentにはファイルがある。ファイルの移動・削除はなかった)
 例:●←×(CurrentにあったファイルをStockへ移動した)

[B] Non-Used Filter

 ファイル名に該当しなかった(使用しなかった)Filter Text を表示します。
 表示内容はそのままテキストファイルに保存することができます。

 これにより、処理されるべきファイル名が残っていた場合に、ファイルの不備を発見することができます。

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○Filter Text

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○設定ファイル

 各設定項目は設定ファイルとして読み込み・保存が可能です。
 設定ファイルに保存される内容は以下の通りです。

設定画面 設定項目 内容説明
メイン画面 Current Folder フォルダのエイリアス情報
Stock Folder フォルダのエイリアス情報
Filter Text フィルターファイルのエイリアス情報(フィルターそのものは記録しません)
Transport 転送条件
Search 検索条件
読込オプション Import Option 読込開始レコード番号、レコード区切り文字、挟み文字、フィールド区切り文字、読込対象フィールド番号
※エイリアス情報とは、ファイルのエイリアスではなく、ファイルのID情報のことです。絶対パスとは異なりファイルを移動しても目的のファイルを追跡することができます。
 設定ファイルを保存する時に、自動的に「Stock to Current」のようにフォルダ名がファイル名に付けられます。保存時に変更することもできますし、初期設定を変更することもできます。(→基本設定

 Import Option の「Over/Add」の設定は保存されません。常にデフォルトが「Over」(上書き)になります。

 【設定ファイルの自動実行
 設定ファイル名の最後に「.auto」と付けておきます。設定ファイル(Setting File)をダブルクリックするだけで処理を自動的に実行して終了します。
 自動実行時は処理報告画面は表示されません。

 データベースからデータを書き出し、Filter File を更新すれば、自動実行の Setting File をダブルクリックするだけでファイルの転送作業が完了することになります。

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○著作権等

 「FileSelecter」はフリーソフトであり、著作権は放棄しておりません。
 著作権は私、秀麗にあります。
 以下のホームページにおいてソフトを発表し、ダウンロードが可能です。
 ホームページ:http://www.shurey.com/

 REALbasic の機能を補完するため、天野良氏(Straw Hat)、尾野道男氏(Micono Utilities)製作のプラグインを使用しています。

 フォルダを開く機能に関し、kantoshi氏にご教授いただきました。

○更新履歴

20051010(1.4)・・・コンパイラを変更。OSX対応版
20051009(1.3.4)・・・取り出したフィールドの前後に文字列を追加する機能を追加
20030708(1.3.3)・・・フィルタが空の場合の処理を変更。指定フォルダのカスタムアイコンが消える不具合を修正
20030602(1.3.2c)・・・起動時に処理報告画面のメニューにチェックが入っていたのを修正
20030602(1.3.2b)・・・処理報告画面が間違ってスタート時に開くのを修正
20030525(1.3.2a)・・・ボタンでのキャンセル操作を追加
20020723(1.3.2)・・・処理報告画面を設置。各ファイルに対するフィルタ処理の状況を表示
20020525(1.3.1)・・・設定ファイルの読込エラーを回避
20010827(1.3a)・・・挟み文字の処理を修正
20010826(1.3)・・・画面レイアウトの変更。検索条件の追加。Import Option の設定変更(設定をやり直す必要有)
20000709(1.2.4)・・・結果報告のバグ修正。異なるドライブ間での転送に対応
20000630(1.2.3)・・・エラーメッセージの修正。結果報告のバグ修正
20000502(1.2.2)・・・ProgressBarの設置。ファイルがない場合の対応
20000426(1.2.1)・・・About Boxのバグ修正
20000424(1.2)・・・メイン画面のレイアウトを変更

20000228(1.1)・・・メイン画面のレイアウトを変更

19991204(1.0.1)・・・フォルダを開く機能を追加。絶対パスの表示

19991202(1.0)・・・完成(FATバイナリー)

19991115・・・製作開始

製作環境】iBook/800 & MacOS9.2 & REALbasic4.0

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