通販に必要な注文システムを作って行きましょう。
先に、店舗ページのサンプルを作成し、その続きで通販ページを作ります。
注文を送るシステムには幾つかのパターンがあります。
大まかに分けると次の3パターンになります。(A)ネットショップやオークションサイトを利用して、個人売買をする方法。(B)専用のシステムをサーバごとレンタルする方法。(C)自分のサイトにシステムを導入する方法。
(A)については、既存のショップの中に店舗を持つ形です。加入料や月額費用、販売手数料などが掛かります。企業だけでなく、個人売買も可能です。HPから商品ページへ誘導します。
(B)については、商品の売買に関する部分だけをシステムとして借りるもので、HPは別に用意します。無料でレンタルできるものもありますが、販売手数料やカードの決済手数料を取る場合もあります。
これら(A)と(B)については、カード決済の仕組みもシステム側が提供していることがほとんどなので、決済だけでなく、セキュリティ面も任せておけます。
(C)については、更に詳しく3つの方法を比較します。どれも自分のHP内に、自分でシステムを構築します。カード決済は難しいでしょう。
よく利用されるのが、データベースプログラムです。これには専用のサーバプログラムが必要で、対応したサーバとセットで用意します。大量の商品を扱えるようにカート(買い物かご)のシステムがあるのが一般的です。
また、会員情報や商品の在庫管理にも連動させて、全体をデータベースで管理することができます。
このような複雑なシステムの場合、どんなセキュリティの問題が発生するか、その危険性も認識しなければならず、かなりハードルが高くなります。
フォームを使ったシステムで、基本のHTMLで受注画面を作ります。フォームの内容はサーバに送信され、CGIプログラムで受信して記録します。
CGIプログラムはサーバ用のプログラムで、HTMLを出力したり、サーバ内にデータを保存することができます。CGIプログラムは、サーバで動作するアプリケーションと、プログラムとして動作するファイルがあり、プログラムファイルをURLで呼び出すと、サーバ内のアプリケーションがファイルを読み込んでプログラムを動作させます。
CGIファイルを自由に作ることができる反面、セキュリティ面にも考慮した作り方をする必要があります。動作原理が単純で、URLを呼び出すだけでプログラムが動作するので、いたずらにプログラムを動かすことも容易になります。
フォームを使った受注画面から、メールアドレスを指定して内容を送信します。そのためメールサーバがデータを受信します。
以前は、ブラウザから直接メールを発信できましたが、現在は一旦メールソフトで送信内容を開いてから、メールの機能で送信します。ユーザー環境に左右される部分がありますが、最も簡単に作ることができます。
受注件数が多いとメールが煩雑になるため、メールアドレスを専用に作るなど工夫が必要です。また、受注件数が少ない場合でも、メールで知らせが来るため見逃す恐れがありません。
細かな商品販売よりも、メールで相談しながら販売する方法や、出張サービス、予約の受付などには適しているでしょう。
それぞれの特徴を表にまとめます。およそ費用がかかる順番です。
受注形態 | 商品や顧客の管理 | システムのセキュリティ対策 | 運用形態 |
---|---|---|---|
ネットショップを利用 | 手作業/システム内 | システム運営者 | Amazonや楽天など既存のネットショップに店を出す。個人売買も可能 |
オークションを利用 | 手作業 | システム運営者 | 個人や店舗名でオークションサイトに出品する。価格を固定し、数量も設定できる |
専用サイトを利用 | システム内で管理 | システム運営者 | ブログ程度の管理ができれば、画面を見ながら応対するだけで使用できる |
サーバでデータベース運用 | データベースで管理 | サーバの運営者と利用者自身 | データベースとWEB画面に表示するためのHTMLを自由に作成できるが、それ相応の知識も必要 |
サーバにCGIを設置 | CGIで管理 | サーバの運営者と利用者自身 | CGIを自己で作る方法と、既製品を簡単に手直しして作る方法があります。システムレンタルに匹敵するものもありますが、基本的にはHTMLやCGIについての知識が必要 |
メールで受注 | 手作業 | サーバの運営者と利用者自身 | 注文者とのやりとりはすべてメールで行い、データの管理はPCや手作業で行う |
解説ページ | 実例ページ | ||||
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トップページ | index.html | ||||
├メールフォーム | (1) (2) (3) (4) (5) (6) | ├p7.html | |||
└GCIフォーム | (1) (2) (3) | └p8.html | |||
└ | order.cgi | (order.txt) | |||
├order.csv | |||||
└count.txt | |||||
素材ページ | img/index.html |
1ページで商品の一覧表から商品を選んで、購入内容の確認とメールの送信を行う。
管理者は、商品一覧のページを作り替えることで商品の管理を行う。
注文用のページから確認用のCGIにデータを送信し、CGIの中で注文を受け付ける。
管理者は、専用のCGIプログラムを使って商品管理を行う。データベースとの連携も可能。
order.cgi(order.txt) はperlで書かれたCGIファイルで、サーバに設置しなければ動作させることはできません。設置方法はサーバの仕様書に従います。
order.csv は初期状態では空のファイルです。
count.txt は初期状態では「0」がカウント数字として入っています。