Wizardたちの戦いを Duel と言う。「勝利」と「敗退」という用語を使うこととする。
Duel に勝利する条件、すなわち敵が敗退の条件を満たしたときに勝利者となる。
敗退の条件 |
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条件1:Life が0以下になったとき |
条件2:poison counter が10個以上になったとき |
条件3:library のカード0枚で、カードを引けないとき |
それぞれの条件は次のようなタイミングで判定を行う。
条件1:以前は turn 終了時で判定を行っていたが、現在は優先権が発生するタイミングで全員の Life を同時に判定する。
条件2:poison counter(毒カウンター)が10個以上になり、優先権が発生するタイミング。
条件3:library が0になった時ではなく、次の Draw Phase や強制的に draw させられる時に、カードを引くことができなかったら敗退となる。
Player A と Player B が対戦する場合、それぞれに同じ様子となる。
カードを出すために空けた territory(領地・陣地)、用意したカード(Deck)を積み重ねた library(書庫・山札)、使用済みのカードを捨てる graveyard(墓場)がある。
実はこれらの配置については決まりがない。また、remove された(ゲームから外される)カードはこの territory の外(マットの外)に置くことになる。
Deck については、「Deck Construction」にてその構造を解説した。
その他に、Life をカウントする道具(counter)が必要となる。
Duel を始める前に、先攻と後攻を決めておく。一度 Duel をした後なら、その敗者が次の先攻・後攻を選択する。
カードを library に置く前にしっかりと Deck をシャッフル(混ぜる)し、その後、相手にカードをカットしてもらおう。
準備が整うと、お互いに7枚のカードを hand(手札)に持つ。
このとき、その7枚の中に Land がない場合、もしくは7枚が Land であった場合、「マリガン」と宣言することができる。これは運悪く非常に不利な状況から Duel が始まることを防ぐルールで、始めからのやり直しを求めることができるのだ。
一般的には公式トーナメントルールに基づいて、デュエルを行うが、もちろんローカルルールとして、独自のルールを作成してもかまわない。しかし、多くの友達や始めて対戦する人とデュエルするには、公式ルールに基づいてプレイしないと途中で問題が発生する。
もちろん、ルールはすぐに覚えられないし、曖昧な部分もあるため、公式トーナメントではジャッジ(審判)が存在する。相手との考え方に違いがあるように思ったときはすぐにそれを解決しておくようにしよう。
さて、最も重要なことは公式の基本ルールである「フロアルール」を知っておくことだ。そして、カードに書かれたテキスト(カードの能力)はそのルールに加味されて、その時々の戦略となる。もし、基本ルールとカードの能力が相反するときはどうすればよいのか、それは「カード優先」ということである。
「基本ルール」では、「Untap phase にカードを untap しなさい」と書いている。しかし、カードに「untap してはいけない」と書いていれば、そのカードに従ってルールが変更される。
ただし、カードに書いていない部分にまでルールの変更は及ばないため、誤解のないようにしておこう。
Duel は敵player と交互に自分の支配する turn(ターン)を積み重ねて進む。
1 turn は1player が4つの phase(フェイズ)を順に進めていくことで完結する。
それぞれの player は先攻と後攻を決め、奇数の turn と偶数の turn を交互に行うことになる。
第1ターンはMain Phaseから始める。Untap、Upkeep Step を飛ばすのは実行できないからである。Draw Step を飛ばすのは、先攻の優勢を少なくするためにルールが改定(1996年)されたためだ。
第2ターンからは通常通り、4つの phase をこなしていく。もちろん、不要な phase は何もしないで次に進むことができる。
ここで一番大切なのは、各phaseとstep の手順を相手にも分かるように行うこと。
「Untap」「Upkeep」「Draw」と声を出して進める。Ending Phaseでは「終了」「エンド」と声を出して turn が終わることを宣言する。
ここでは turn の順番が来た player を「turn player」とし、その敵を「opponent player」として player を区別する。特別な記述がない場合、すべて「turn player」の行動を示している。
turnの最初のフェイズ。直前に phasing の処理が行われる。phase out しているカードは phase in し、場にある phasing の効果を持ったカードが phase out する。(Untap Phase がなくなるとこの処理もなくなる)
「the beginning of the next turn(次のターンの始め)」と書かれたカードが前の turn で出ていた場合、その効果が発生する。(両player)
以前は独立していた3つのフェイズがこの中に総括されている。
tap(タップ)されたカードをすべて untap(アンタップ)する。これは強制であるため、忘れないように注意すること。ただし、他のカードの能力によって妨害されたカードや、そのカードの能力で untap をしなくても良いとされている場合は、untap しないことがある。
また、Untap phase がなくなった場合、当然全てのカードは untap できない。
カード自身が untap の能力を持つ場合、Untap phase の有無に限らず、他の phase 中であっても、opponent player の turn 中であっても untap できる。
upkeep もしくは cummulative upkeep の cost が必要と指示されたカードが territory にある場合にのみ、この phase はプレイされる。
カードの能力やカードの存在を維持するために必要な mana を計算し、消費することができる。upkeep に必要な mana が支払えないカード、もしくは upkeep したくないカードは bury される。
ここからturnの終了までインスタントタイミングとなり、spellやfast effectを両playerが使用できる。
library からカードを1枚引き、hand に加える。
二人対戦の場合、先行Playerには最初のDraw Stepが与えられない。
このときに限らず、library にカードが1枚もない状態でカードを引かねばならない場合、その player はその時点で敗退する。
このフェイズではLandを1枚出すことができる。(戦闘後メインフェイズでもよいが 1 turnに1枚だけ出せる)
このフェイズの間はソーサリータイミングであり、次のspellをmanaがなくなるまでcastできる。Creature、Artifact、Enchantment、Sorcery、Plainswalker。
もちろん、インスタントタイミングで使えるInstantもcastできる。
Creature を使って敵を攻撃 (attack) することができる。これに対して敵は 防御 (block) を行うことができる。
また、Combat の前後や最中にも様々な fast effect を使用することができるのだが、何段階かの流れがあるので、別項目 Combat で詳細に解説する。
戦闘前メインフェイズと同じことができるが、2つのメインフェイズで1つのメインフェイズと考えた方が良い。
Playerは、自己の turn が終了したことを声に出して宣言し、最終フェイズを実行する。
2つのステップから構成される。
インスタントタイミングで、spellや fast effect を使用することができる。
hand に7枚を超える(8枚以上)カードを持っていたときは、7枚以下になるようにカードを graveyard へ捨てなければならない。
combat や spell によって受けた Creature の damage が総て回復する。
「still end of turn(ターンの終わりまで)」と記述されたカードの効果もここで終わる。
turn中、spell や effect を使用するタイミングが決められている。
などがあり、敵の turn でも使用できるタイミングが存在する。
次の表では「○」が使用可能なタイミングで、それ以外は使用できないことを示している。
Landを出す | manaを出す | spellを使う | fast effect を使う | ||||
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Creature Artifact Enchantment | Sorcery | Instant | Creature Artifact Enchantment | ||||
Begining Pahse | Untap Step | turn が始まる | |||||
Upkeep Step | ○ | ○ | ○ | ||||
Draw Step | ○ | ○ | ○ | ||||
Main Phase | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | |
Combat Phase | |||||||
Ending Phase | End Step | ○ | ○ | ○ | |||
Cleanup Step | turn の終了 | ||||||
敵のturn | ○ | ○ | ○ |
これらタイミングの中でも、同じタイミングで使用可能なカードの場合、自分でその順序を決定することが出来る。
最も難しいのは fast effect のタイミングだ。
territory に permanent を出す行為は Main phase に行われるため、一般的にはそのカードを見てから、その前に fast effect を使うことができる。通常はそれら permanent に効果を及ぼすため後から使用することが多い。
Interrupt には counter カードが多い。カウンターとは「仕返し」のことだ。
counter spell の場合、hand にあるカードを使用するタイミングにそのカードに対して機能する。カードを spell と呼ぶのはその時だけだからである。
territory にある permanent はすでに spell ではなく、Land、Creature、Artifact、Enchantment のどれかになっているためである。また、それらが及ぼす effect も spell ではない。Sorcery、Instant、Interrupt は常に spell である。
当然に、library、hand、graveyard にあるカードは spell とは呼ばない。
ある spell に対応して fast effect を連鎖させる時、Instant ならば先の spell または effect から解決し、Interrupt で割り込んだ場合は後者から解決していく。
例えば、Interrupt に対して Interrupt を割り込ませるとやはり後者から解決し、それが幾つかつながって連鎖をした場合でも最後者から解決を行う。このとき、前者の spell が意味を失ったとしても casting cost を回収することはできない。
Main phase に一度だけ Creature を使って combat(戦闘)を行うことができる。
この combat の間中、全ての player は全ての fast effect(spell および effect)を使用できる。
ここで使用される fast effect の目的は Creature の能力を強化・弱体化させること、Creature や permanent を破壊することなどである。
下記全てのタイミングで fast effect は割り込んで使用することができる。(前後どちらでも良い)
damage の配分権:block player が block Creature を選択する時点で damage を配分したことになる。1対1の場合は問題ないが、2体以上の Creature で block したり、banding した Creature が attack や block をした場合は damage の配分権が変更される。
2体以上の Creature で block した場合、attack player がその内訳を自由に配分できる。
banding した Creature 達の場合、その controller(attack Creature なら attack player)が 受けた damage を配分する。
[詳細は Glossary へ]
destroy(デストロイ/破壊) | Creature は toughness が0以下になると destroy され、graveyard へ送られる。 |
regenerate(リジェネレイト/再生) | destroy された Creature を生き返らせること。graveyard へ行く直前に territory へ引き戻し、tap した状態で置く。 |
bury(バリー/埋葬) | Creature は bury されると graveyard へ送られる。この時、regenerate は使用できない。 |
Exile(追放) | graveyardではなく、ゲームから完全に除外される。 |
Sacrifice(生け贄に捧げる) | graveyardへカードを送る。regenerateできない。 |