Index / 2000.1.26 / 1.27 / 1.28 / 1.29 / 1.30 / 1.31 / 2.1 / 2.2
朝、ホテルの部屋から見えるモンマルトルの丘。
この時期、朝は8時半頃にようやく日が昇り、17時頃には日が沈んでしまう。
朝、8時15分にホテルを出発。今日はベルサイユ宮殿へ行く。
ポルト・マイヨー広場から凱旋門のあるシャルル・ド・ゴール広場まで歩く。メトロの2駅を歩いたことになる。道中で凱旋門の向こうに日が昇ってきた。
次にイエナ大通りをエッフェル塔へと歩く。30分ほど歩いてトロカデロ庭園に突き当たると、その上に朝焼けに浮かぶエッフェル塔が見えてきた。
凱旋門 | エッフェル塔 | シャイヨー宮 | 凱旋門とホテル |
丁度エレベーターが動き出した。チケット(44F)を買って、2階までエレベーターで一気に上る。前回は階段(14F)で上ったので、あっという間だ。チケットもミレニアム記念のもので、1つは青、もう1つは赤のキラキラしたものだった。
エッフェル塔の影が丁度シャイヨー宮を指し示していて、さながら巨大な日時計のようだ。
凱旋門が街並みの中からひょっこりと抜き出て見える。こうしてみるとその大きさが際だつ。しかし、左に目を転じると空に突き出た1つの建物が見える。それこそ我々の泊まっているコンコルド・ラ・ファイエットだ。(写真21)
9時過ぎ、ようやく日が昇りきった頃、エッフェル塔をエレベーターで下り、地下にあるRER(高速郊外鉄道)のシャン・ド・マルス駅へ。
ヌイイ・ポルト・マイヨー駅からもC線に乗れるのだが、こちらからだと市内を東に遠回りしてからヴェルサイユ・シャンティエ(C8線)に着く。シャン・ド・マルス(エッフェル塔)からRERに乗ればもう1つの枝分かれしたC線に乗って最短ルートになり、最もヴェルサイユ宮殿に近い駅・ヴェルサイユ・リブ・ゴーシュ(C5)まで行くことができるだ。
メトロの切符を買う窓口はガラス越しにマイクで話をするようになっていて、お金の受け渡しも直接ではなく可動式の皿にお金を置いて、向こうがそれを引いてお金を取るようになっていた。
窓口でヴェルサイユまでの往復切符(58F)を買う。
「Versailles Rive Gauche, s'il vous plaît. deux ticket(billet)」
と言うと、「aller? aller/retour?」と片道か往復か聞いてきたので、往復(aller/retour)を買っておく。
切符は行きも帰りも同じなので、どっちがどっちか悩むことはない。でも、しばし、見比べてしまった。
高速郊外鉄道(RER)はパリ市内と郊外の主要地とを結ぶ鉄道だ。
市内であれば、メトロの切符(8F)で乗ることができる。切符にも車両にも2CLと書かれていて、2等車に乗るのだ。
メトロもRERもドアを開けるときは、扉にあるボタンを押す。メトロの1号線だけは車両も新しく全自動になっていた。
RERは車両によって座席の色や形も違うが、全般的に落書きは多いし、あまり綺麗とは言えない。
落書きは車内だけでなく、車外や壁にも多い。駅構内にはあまりないのだが、次の駅までの線路脇の壁には至る所にペンキの落書きが描かれていた。
列車の中ではアコーディオンを持った流しのおじさんがいた。市内を出るころ、列車に黒服の4人が乗り込んで来たときに、その様子をうかがいながら降りた。
その物々しい4人組は切符の抜き打ち検査だった。切符を持ってないと、かなり大きな罰則があるらしい。これも初めての体験だった。
終着駅のヴェルサイユ・リブ・ゴーシュには25分で到着した。改札を出ると小さな看板に「Château de Versailles」と表示され矢印が書いてあった。
その方向へと進むと、大きな通りにぶつかり、ベルサイユ宮殿がその大通りの先に見ることができた。
手前の広場から金細工で装飾された門をくぐり、石畳の敷地に入る。宮殿の建物の前に、馬にまたがったルイ14世の大きな銅像があった。
ヴェルサイユ宮殿 | 鏡の回廊 | 祭典の間 | 戦闘の間 |
建物の奥には大きな庭園が広がっている。
あまりにも寒かったので、まず、トイレを探すことにした。元々、ベルサイユにはトイレはないという話は有名です。地図を見るとトイレは案内所近くに2カ所あった。1つ目は修理中か、入れなかった。で、地下にあるもう1つのトイレに行くと行列が出来ていた。
入口で2.5F(約50円)を払って、男性トイレに入るとこちらはガラガラだった。
どこが宮殿内の入口か分からなかったので多くの人がウロウロしていたようだ。「A」やら「B」やら旗の並んでいた所のドアを入るとそこに切符売場があった。
しかも、変な入口から入ったので、金属探知器の検査を避けてしまった。他にもそういう人がいたけど、全然気にしていない。
入場料は45F(約900円)。内部の案内図を見ていると、あまり見るところがなさそうだったが、思ったより広く、外観以上に中は煌びやかな様相だった。
ルイ14世、マリー・アントワネット、ナポレオンにまつわる部屋や絵などがあり、最後の先頭の間にはフランスの歴史を書いた大きな絵画が数十枚並ぶ部屋が壮観である。
裏手のガーデンは残念ながらフェンスで立入禁止になっていた。激しい暴風雨によって、付近一帯の木々が根本から折れたり倒れたりしていたので、そのための修復のようだ。
プチ・トリアノンまでは歩くと20~30分はかかりそうだが、ミニ・トレイン(27F)というタイヤの付いた連結式の電気自動車でガタガタと揺られながら行くことができた。帰りはチケットを見せるだけで乗れるし、グラン・トリアノンにも行くことができるのだ。
プチ・トリアノン(15F)は少し寂しいところにある小さな建物で、外部はかなり地味で、内部もあまり豪華とは言えなかった。
夕食にレストランを予約してあるので、早々にホテルへと戻る。
途中、シャン・ド・マルスまで戻って一度改札を出たが、どうやらその切符で乗り換えてホテルまで帰れたようだ。
ともかく、そこでカルネ(55F)を買ってからメトロに乗った。
「Une carne, s'il vous plaît.」
そう言えば、切符を10枚買うことができるのだ。1枚8Fだからかなりお得。何日に分けても、何人で分けても良いのだ。
一日券も同じ55Fだけど、使い勝手はカルネの方が良い。
さて、夕食はホテルに近い「Le Ballon des ternes」だ。早く帰ってきたのは着替えのためなのだ。一応、旅行パンフレットによるとどのレストランもネクタイが必要とのことだったので、スーツに着替えネクタイをして出かける。このために、クツもいるし、コートもいるのだ。
しかも、コートを預けるとチップが必要になる。でも、みんながそうしている訳ではなく、この日に行ったようなカジュアルな店ではイスに引っかけている人もいた。
店はホテルの直ぐ横にあり、自室から見下ろした交差点にあった。中は広く、賑やかな雰囲気だ。コートを預け、ガラス張りの通りに面した席に座る。
メニューはAとB。事前にそれぞれを注文していた。
Aメニューは、海の幸盛り合わせ、鯛のグリル・スチームポテト添え、クレームブリュレ、コーヒー。(はる)
Bメニューは、ノルウェー産スモークサーモン、牛フィレグリル・ベアルネーズソース、チョコレートケーキ・カスタードソース、コーヒー。(秀麗)
まず、最初の皿が出てくるまでに結構時間がかかった。その後も、次の皿が出てくるまでかなり時間があるのだ。現地の人々は常に話をしながら食事をする。とにかく、よく食べよくしゃべるのだ。
となりの優しそうなおばさんが、かなり勢いよく鼻をかんでいた。我々もグシグシやってたので、紙ナフキンのようなものを分けてくれた。
前菜が出てきてビックリ、スモークサーモンも日本での3倍ほどの量だが、海の幸盛り合わせは強烈だった。生のカキが10個、生のムール貝も10個、ボイルされた2種類の貝も小さいがそれぞれ数十個、エビも焼いた車エビみたいのが4・5匹と小さなエビが山になっていて、拳大のカニも1匹。これに小さなパンが付いていた。
何とか二人で食べるが、とてもなくなりはしない。1/3程残してしまった。もうこの時点でお腹一杯になる。
メインディッシュはかなりひどいものだった。鯛は内臓も付いていれば血も滲んでいた。それも2匹。牛フィレの方も大きいが全然ナイフで切れないのであった。肉は食べきったが、鯛は全部残した。
デザートはお互いに交換して食べた。クレームブリュレはバニラビーンズが入っているのが良い。表面のカラメルの甘みはちょっと苦手ではあるが、あのカリカリは好きなのだ。しかし、やっぱり大きい。日本で食べる(クラブハリエ比)ものの3倍はあるだろう。
甘いチョコレートはもっと苦手である。これもかなり甘かったらしい。チョコレートのケーキにチョコレートとカスタードの2種類のソースがかかっていた。
甘いものは別腹とは言え、すでに疲労困憊。少々追い打ちを掛けたようだった。
この時点でテーブルの水がなくなってしまったので、これだけのために注文もできないし、コーヒーを早く欲しいところだが、こちらでは、デザートを食べ終えないとコーヒーが出てこない。
前菜やメインディッシュでもそうだけど、必ず先に皿を下げてから料理を持ってくる。というか、それから料理を作るように思う。とにかくゆったりと食事をしなければいけないのだ。
1回の食事に2時間はかかると覚悟しておかなければならない。とにかく、クタクタになる2時間だった。
テーブルにチップだけを残して席を立つ。
今後のチップの小銭が足りないので、買い物をしてから帰ることにして、小さな商店に入る。
ペットボトルのオレンジジュース等を買ったが、10F硬貨を作ることができなかった。
しかたなく、ホテルへ戻る道中にあった店でバゲットを1つ買う。
また、ホテルの近くに美味しそうなケーキの並ぶ店を見つけた。パンもあるらしいので、楽しみだ。