フランス 

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June 11, 1998 [晴れ]

パリへ出発

さあ、朝4時に起きて、着替えの詰まったカバンと貴重品を持ち運ぶ肩掛けのカバンを抱えて出発。
JR野洲駅から4:44発の始発に乗り京都へ。そこで、5:45発のはるか1号に乗り換えて関西国際空港まで行く。(乗車券\2420、特急券\1460)
空港には集合時間の5分前(7:10)に電車が到着。急いで集合場所へ行くとテレビカメラや報道カメラが待ち受けていた。ここで改めて旅行目的の変更ということで説明があった。出発条件として「236,000円のパリ・トゥールーズ・フリープラン」の旅行申込にサインをすることになる。だが、表題は誓約書となっていた。
我々はルフトハンザ・ドイツ航空を使ってフランクフルトへ入り、乗り換えてパリへと向かう。
前日までエールフランスのストが続いていたため、その他のサポーターたちもドイツ、イギリス、スペインを経由してフランスへと入国したようだ。
出国までに、空港で30,000円をフランに両替した。1100Fとお釣りを受け取る。数週間前に、銀行で1万円を400Fに両替しておいたので、1500F(20F*20枚、100F*11枚)を持っていた。これだけ見ると近所の銀行の方が得だったように思えるが、為替もこの間にずいぶん変動した。
出国するためには空港の施設利用料を支払わねばならない。関空は2650円だが、フランクフルトとシャルル・ド・ゴールの分は5000円程を先に旅行社に支払った。
後は、手荷物検査を受けて、実際に出国ゲートを通るのだが、ここで出国カードを記入する。これを旅行社に任せると2000円ほどの手数料を取られるが、住所と目的地を日本語で書けばいいので実に簡単だった。
で、パスポート、チケット、出国カードを見せて出国の許可を受ける。まあ、ポンポンと判子を付いてもらってスッと通してもらえる。

予定通り9:15に関空を離陸してフランクフルトまで12時間40分のフライトだ。時差はサマータイムのため-7時間。
飛行距離は9800km、最高時速は980km/hだった。高度も10000m前後を飛行した。飛行ルートはシベリア上空だが、外気温はマイナス60度ということだ。
機内は冷蔵庫のように寒く、すぐにブランケットをもらって腰から下を暖める。それでも、背筋が涼しいのと足下が冷たいのはどうにもならなかった。枕をお腹に抱いていたが、これを首筋に当てれば良かった。ブランケットで体を覆いすぎると汗をかいてしまう。到着の数時間前には冷房があまり効いていないので、特に暑い。最初の2時間くらいの間に4回はトイレに行っただろう。寒いとどうにも近くなるが、我慢してもしかたない。
朝食の後、しばらくウトウトと眠り、気が付くと窓が覆われて機内が暗くなっていた。それから映画が3本上映された。「Tomorrow Never Dies」「Bean」「Mouse Hunt」だ。Beanだけは日本語の吹き替えがなかったのでその間に少し寝た。
映画が終わるのが到着2時間程前で、その後しばらくして、昼食が出た。
時間つぶしと眠気を誘うために小難しい本を持っていったが、結局眠たい頃に映画の上映があったので、満足に眠れなかった。それでも、一日が長くなる分には時差ボケはないようだった。
フランクフルトに到着したのは日本時間21:55(現地時間14:55)。ここで入国審査を受ける。ECの中では出入国がないからだ。
がーん。ということは、ドイツ語で話すのか?と緊張するが、パスポートと乗り換えチケットを見せてすんなりと通関した。

フランクフルトからパリへ

フランクフルト空港フランクフルトからの乗り換えの飛行機は当然外人がほとんどだ。飛行機も当然ジャンボジェットとはいかない。
ここでさすがにフランス人だというのを目撃した。私の斜め前に若い二人組の女性が座っていた。周りの男が妙にソワソワしている。そんなとき、突然反対側の席にいたおじさんが「Vous habitez ou?」と彼女らに声を掛けた。二人は間髪入れずに「Paris!」とハモっていた。飛行機の中で簡単に「どこ住んでんの?」「パリよ」なんて会話がやりとりされるのだ。その後、しつこくナンパしている男もいた。これぞフランス人か。

現地時間の16:45(以降、帰国まで現地時間)、フランクフルトから再びルフトハンザで離陸し、途中でまたサンドイッチなどの軽食が出た。パリの北東にあるシャルル・ド・ゴール空港へ17:55に到着した。
空港からはバスで高速道路に乗り、一気にホテルへ向かう。途中、サン・ドニのスタッド・ド・フランス(Stade de France)の前を通過した。ワールドカップの開幕試合が行われたスタジアムだ。
環状高速を降り、ビクトル・ユーゴー通り(Avenue Victor Hugo)を走ってオーベルビリエ(Aubervilliers)のホテルへと到着した。

ホテルの周辺

クリマ・ド・フランスホテルはクリマ・ド・フランス(Climat de France)。隣の背の高い建物はマンションだ。
まあ、いわゆるビジネスホテルそのもので、部屋にはいると小さなキッチン、浴室と洗面とトイレの一室があり、奥にはダブルベッドがあった。
荷物を置いて、100Fほどを持って、小銭を作るために隣のスーパーへ買い物に行ったが、閉店時間を過ぎていて、中に入るなというジェスチャーをされた。
かなり郊外のような地区で、大小のアパートが建ち並んでいたが、賑やかな所ではなかった。
お店も向かいのバーしかないようで、仕方なくそこで何かを食べて、両替してもらうことにした。

「Bonjour」と言いながら店の奥へと入った。10歩もすれば奥という小さなバーだ。どのおじさんが店主か分からなかったが、しばらくして店の奥から人の良さそうなでっかいおじさんが出てきた。
メニューを見せてもらっても、当然フランス語が読めないから内容が分からない。何より値段が書かれていない。おじさんは「ビフテキ、ビフテキ」と言ってたけどそんなにお腹も空いていない。それに定食48F(\1248)となっていたから、もう少し安くしたいという気持ちと、高いものを薦めてるのではという危惧もあった。
適当に単品メニューのようなところを指さしたら、「チキン、チキン」と言うので、それならいいかと思ってうなずいた。後、「フリッター?」と聞かれたので、「Yes」と答えたのだった。oui でないといかんのだけど、一度も使わなかったなぁ。
一緒にカフェも注文した。「Un cafe, s'il vous plait.」である。
しかし、それでカフェオレが出てくるのかと思ったら大間違いだった。大抵はエスプレッソが出てくるのだ。TGVのビュッフェでもちゃんと cafe au late と言わないとミルクをつけてくれなかった。
さて、話を戻そう。この地元の小さなバーのお客は当然近所のおじさんばかり、テレビではエムボマのいるカメルーンとオーストリアの試合が始まった。カウンターの上にはハリウッドの俳優たちの写真が何枚も掛けられていた。カウンターも4・5人でいっぱいになるし、テーブルも4つか5つ、外側にも小さなテーブルがあったようだ。私は店の奥のテーブルに座っていた。
テーブルには紙のカバーを広げて、膝掛け用のカラフルな紙ナプキンをもらった。細いフランスパンを5つか6つに切って出す。4種類ほどの生野菜のサラダも出たが、これが酸っぱい。酢の苦手な私にはとても食べられなかった。そして、どうやら定食メニューになっていることに気が付いた。
そして、大きな皿でチキンとフリッターが出てきましたよ。なんとチキンは小振りながらも1匹丸ごと。フリッター(フライドポテト)もチキンに負けない量だった。
結局、チキンだけでもかなりお腹が張ってしまった。もう少しジューシーだとまた食べたいところだ。フリッターはカリッとして美味しかったが、半分を他の人に食べてもらった。パンは持って帰ることにして、サラダは綺麗に残した。
どれほど請求されるか分からなかったが、いつまでもいられない。値段を聞く方法は分からなかったので、20Fの札を少し取り出してチラッと見せると、英語で57F(\1482)と言ってくれた。フランス語の数字は難しくて覚えられない。ともかく、無事に支払いができた。
その後、ついでに「exchange 5F(エクスチェンジ・サンク・フラン)」と英仏混じりでお願いしてみた。20Fを手にしていたので、「サンク・フラン?」と聞き返されたので、また、「Yes」と答えてしまった。ともかく、これも無事に5Fに両替してもらった。
「Merci!」とお礼を言って、お腹をさすりながら向かいのホテルへと戻ったのだった。
外はようやく空が薄暗くなってきていた。それでも、21時頃だったろう。まだ、夜という雰囲気でもなかった。だが、少し肌寒くなっていた。
とにかく眠たかった。部屋に戻ると飛行機の疲れもあってグッスリと眠る。

ちょいとフランス語

(注)「r」の音は「る」のようにひらがなで表記する。「る」はかすれたような音で「ふ」「う」に聞こえるか、聞こえない音。

ボンジューる[oui]yes、はい、ということ。いいえは、ノン(non)。
ウィ[oui]yes、はい、ということ。いいえは、ノン(non)。
アン・カフェ[un cafe]1杯のコーヒー。
スィル・ブ・プレ[s'il vous plait]please、お願いしますの意味で添える言葉。お勘定をして欲しいときにも使える。
コンビヤン?[combien?]これなんぼ?と尋ねる。
ビフテキ[bifteck]これは立派なフランス語。ビーフステーキのこと。ステーキって日本語ではどうなんのかな。
プール[poule]これがチキンのことなんだな。知らなかった。
ポム・フリットゥ[pomme frites]フライドポテト。ポム(pomme)はリンゴ、ジャガイモはポム・ド・テール(pomme de terre)だ。
メるシィ[merci]ありがとう。

Next Day

Written by Shurey